スタッフブログ

2023.08.25更新

みなさんの中に、下口唇に小さな水ぶくれができた、あるいは、水ぶくれが出来るのを繰り返しており困っている、という方はいらっしゃいませんか?

もしかしたらそれは、”粘液嚢胞”と呼ばれるものかもしれません。

お口にできる水ぶくれという症状には、その大きさやそれに痛みを伴うかどうかなどによって関係している病気や原因が変わってきます。

そんな中でも、日常的によく遭遇するのが良性疾患である「粘液嚢胞(ねんえきのうほう)」です。

今回は、この「粘液嚢胞」について、その特徴や治療方法等を詳しくお話していこうと思います。

<h2>粘液嚢胞とは?</h2>
嚢胞(のうほう)とは、体の分泌液が袋状に貯留する状態をいいますが、粘液嚢胞の場合、唾液が袋状になって貯留している状態です。

そもそも、口腔内には、「唾液腺」とよばれる唾液を分泌する組織があり、大唾液腺と小唾液腺に分けられます。

大唾液腺は耳下腺、舌下腺、顎下腺といった大きめの唾液腺、小唾液腺は口腔粘膜に存在する無数の小さい唾液腺です。

粘液嚢胞については、小唾液腺から出ている管が傷ついたことによって、管が詰まったり唾液が漏れたりして、結果的に唾液が袋状に貯留した状態を表します。

<h3>症状</h3>
見た目は直径5㎜程、透明な半ドーム状で、比較的表面に近いところにできた嚢胞は薄紫色に、深いところに位置する嚢胞は少しピンクがかった色になっています。

特に痛みやしびれなどの自覚症状はなく、気づいたらできていた、というケースが多いです。

ただ一方で、水ぶくれ以外にも痛みや赤みがあるなど、他の症状がある場合は、粘液嚢胞とは異なる病状として違う疾患を疑います。

<h3>好発年齢、好発部位</h3>
小唾液腺が存在する場所には、基本的にどこでも生じるものですが、好発部位としては「下口唇の粘膜」「舌の下、裏」があげられます。

また、好発年齢としては、子どもから成人まで均等に見られ、50代以降は少ないともいわれます。

<h2>粘液嚢胞ができる原因は?</h2>
先ほど、小唾液腺の管が傷つくことで、粘液嚢胞が生じるとお話ししました。

この小唾液腺が傷つく原因としては、食事中に下口唇や頬粘膜を誤って咬んでしまう、あるいはブラッシング中の歯ブラシや食べ物があたることなどがあげられます。

さらに、歯の被せもの、詰め物、また歯自体が欠けていると、その鋭利になった部分が粘膜に触れ、傷つくことが原因のこともあります。

<h2>「再発しやすい」「繰り返しやすい」のが大きな特徴</h2>
さらに、粘液嚢胞は、再発しやすい、繰り返す、というのが大きな特徴です。

上でお話したように、粘液嚢胞ができる部位は、粘膜の部分でどうしても傷つきやすい場所なので、簡単に袋が破けてしまいます。

その際、嚢胞は中の貯留腋である唾液が出ていくので一旦しぼんでいきます。

これで一見治ったと感じるのですが、唾液腺の導管自体は傷ついたままなので、数日後に再び嚢胞ができてきます。

こういった理由から、粘液嚢胞については、自然放置していてもなかなか完治しない、同じ症状を繰り返す、と言われています。

つまり、再発しやすいということです。

<h2>粘液嚢胞の治療方法は?</h2>
これまでの内容を踏まえ、粘液嚢胞の主な治療方法をご紹介していきます。

<h3>経過観察</h3>
粘液嚢胞が出来る場所によっては、普段のお食事やオーラルケアに支障がなく、生活に不自由がない場合があります。

この場合は、無理に触らずに経過観察で様子をみることがあります。

ただし、上でもお話ししたように、粘液嚢胞は繰り返しやすいという特徴があります。

本当に経過観察で問題ないのかどうかについては、かかりつけ医と相談する必要があります。

<h3>摘出術</h3>
外科的な治療法で、嚢胞とその周囲の傷ついた小唾液腺を一塊で摘出する方法です。

外科と聞くと少し敬遠される方もいるかもしれませんが、主に外来で局部麻酔を用いて行い、実際の処置時間はおよそ15分の小手術で比較的負担の少ない処置です。

術後は痛み止めなどを服用しながら経過観察し、1週間ほどで抜糸します。

この摘出術では原因そのものを取り除くので、再発リスクが抑えられます。

<h3>レーザー治療</h3>
こちらは摘出術と同様、局所的に麻酔を行いレーザー照射で粘液嚢胞を切除します。

レーザー治療は、メスを使用する摘出術と比べて、出血や術後の痛みが少ないというメリットがあります。

ただレーザー治療を行うかどうか、適応かどうかは、粘液嚢胞の範囲や大きさ、部位によるところがあり、歯科医師の診断が必要です。


<h2>お口の水ぶくれ、気になった方は早めに歯科医院で相談!</h2>
ここまで粘液嚢胞についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

今回紹介した粘液嚢胞の特徴などに、ご自身の症状が当てはまっているかも、と思われる方は歯科医院で診てもらいましょう。

良性なので今すぐに対応しなければならないことはありませんが、一度しっかりと原因を除去し治療することで再発を防ぐことができます。

また一方で、水ぶくれだけでなく痛みがある、出血がある、など他の症状もある場合、粘液嚢胞以外の他の疾患である可能性もあります。

その場合は粘液嚢胞とは異なる治療、服薬等も必要になってきます。

こういったことからも、くり返す水ぶくれがある方は、自己判断でそのまま放置せず、是非歯科医院を一度受診し、しっかりと診断をうけることをおすすめします。

投稿者: 柏木歯科医院

2023.08.21更新



<h2>歯ぐきの健康について</h2>
<h3>・歯ぐきの役割や構造</h3>
歯ぐきは、歯の周りの上皮(じょうひ)で、体の皮膚のような役割をもっています。つまり、体内への細菌の侵入を防いでいます。また、この歯ぐきと歯がしっかりと接していることで、歯と歯ぐきの境目からの細菌の侵入を防いでいます。そして歯ぐきは、歯を支える骨の表面に苔のように付着し、約2mm程度の厚みがあります。

<h3>・歯ぐきの炎症や感染症のリスク</h3>
歯ぐきは、豊富な毛細血管を持ち、非常に早い周期で歯ぐきの細胞は生まれ変わっているため、傷の治りも非常に早いです。しかし、歯ぐきにも炎症が起こることがあります。そして、最も炎症が起こりやすい場所は歯と歯ぐきの境目です。この歯と歯ぐきの境目を歯周ポケットと呼んでいます。そして、この歯周ポケットに起こる炎症を歯周病と言います。通常、歯周ポケットはしっかりと接し、汚れなどが入ることはありませんが、歯垢などが長時間放置されると、歯垢の中の細菌から毒素が産生され、これが歯周ポケットに溜まることで、その周りの歯ぐきや骨を壊していきます。

<h3>・歯ぐきの健康が全身の健康にも関わる理由</h3>
近年、歯周病と全身疾患の間に色々な関係があることが分かってきました。代表的なものとして、歯周病が存在する場合、糖尿病が悪化する可能性が高まると言われています。それ以外にも、歯周病と認知症に関係があることが示されています。逆に歯周病をしっかり治療することで、糖尿病や認知症が改善する可能性があります。
さらに、歯周病がある妊婦の場合には、胎児が早産となるリスクも指摘されています。このようなことから、現在は妊婦健診に歯周病の検査が含まれるようになっています。

<h2>健康的な歯ぐきの維持方法</h2>
<h3>・適切な歯磨きとフロスの使い方</h3>
適切な歯磨きに必要なのは、適切な歯ブラシです。通常の歯磨きであれば、毛先は硬い物でも柔らかいものでもなく、標準的な硬さのものを推奨します。また、歯ブラシの毛先の形にはいくつかの種類がありますが、大きな違いはありません。使いやすいものを選んでください。歯ブラシの持ち方は、持ちやすい方法で構いませんが、あまり力が入りすぎないように注意が必要です。そして、歯ブラシは細かく動かすことがポイントです。細かく、歯を一本ずつ磨くようにすると、歯と歯ぐきの間や、歯と歯の間の細かいところにも毛先が入ります。
フロスは、歯と歯の接触部の汚れを取るための器具です。歯と歯の間に一度通してあげれば十分です。その際に強く押し込み過ぎて、歯ぐきを傷つけないように注意してください。
加齢変化で歯ぐきが痩せてきた時には、歯間ブラシの利用を検討しましょう。若いときは通らなかった歯間ブラシも、徐々に通るようになってきます。

<h3>・歯ぐきを傷つけるタバコやアルコールの影響</h3>
タバコは、口の中を低酸素状態にするため、歯ぐきの血流が不良となり、虚血状態になります。その結果、歯ぐきの治癒力は低下し、歯周病などへの耐性も減弱します。タバコは歯周病の明らかなリスクファクターとされています。
アルコールは、耐性があるかどうかで歯周病への影響が変わります。そのため、アルコールに弱い人は、歯周病を悪化させるリスクが高くなります。また、アルコールに強くても、よって歯磨くきをせず寝てしまえば、当然歯周病のリスクは高まります。

<h3>・口内環境を整えるための食生活や生活習慣の改善</h3>
過度な食事や、頻回な間食は歯ぐきの健康にとって良くないだけでなく、肥満や糖尿病などの生活習慣病に対しても大きな影響を与えます。食事については、適切な量を規則的なリズムで続けることが大切です。またそれ以外にも、タバコもアルコールも、節度を持って嗜むことが大切です。
口呼吸の改善は、口腔内の乾燥を防ぎ、歯並びへの悪影響を緩和することができます。そのため、口呼吸から鼻呼吸への改善が必要です。しかし、アデノイドなどで鼻呼吸が困難な場合には、耳鼻科などで精査する必要があります。

<h2>歯ぐきの健康を維持するための歯科医院でのケア</h2>
<h3>・歯科医院での定期的なクリーニングや検診による予防方法の解説</h3>
歯科医院での定期的なクリーニングや検診のメリットは、う蝕や歯周病の早期発見と早期治療が可能になることです。また、通常の歯磨きでは取り除くことができない汚れを、超音波などの専用の器具を使用することで、除去することができます。さらに、歯磨きができてない部分を把握することもできます。このように定期検診で残った汚れを除去し、適切な歯磨きの指導を受けることで、より確実に歯周病を予防することができます。

<h3>・歯ぐきに異常が見つかった場合の適切な治療方法</h3>
歯ぐきが腫れていたり、歯磨きの時に容易に出血したりする場合には、歯科医院を受診し歯ぐきの状態を確認することが必要です。通常の歯周病であれば、検査をし、適切に治療を継続することで症状は落ち着き、歯周病の進行を抑制することができます。しかし、悪性腫瘍や自己免疫疾患でも歯ぐきが腫れたり出血したりすることがあります。そのため、もしも歯ぐきの異常が改善しない場合には、一度歯科医院で口の中の状態を確認することが大切です。

<h3>・歯科医院での歯ぐきの健康を維持するためのアドバイスやケア方法</h3>
歯ぐきの健康を維持するための最も簡便で効果的な方法は、歯磨きです。お口の健康のために、歯磨きを適切に行うことで、セルフコントロールが可能になります。ただし、歯磨きは思っているよりも難しいため、歯科医院を受診し歯科医師または歯科衛生士に適切な歯磨き方法を指導してもらうことが大切です。歯ぐきの健康を維持するため、是非歯科医院を受診したら、歯磨きの方法やポイントについて色々と質問しアドバイスを受けましょう。

<h2>まとめ</h2>
少しでも長く、美味しいものを味わって食べられるように、さらに美しく口元を保つためには適切な歯ぐきのケアが必要です。そして、歯ぐきのケアは日々の習慣が非常に重要です。ただし、自分で十分にケアができていると思っていても、気付かないうちに歯周病が進行していることもあります。健康な歯ぐきは、歯科医院と個人の二人三脚で維持していくことが必要です。

投稿者: 柏木歯科医院

2023.08.12更新


目次
・歯の構成
・むし歯の原因とむし歯ができる仕組み
細菌が糖を取り込み、酸を作り出し、歯の成分を溶かす
唾液が歯の酸を中和する
  脱灰と再石灰化のバランスが崩れると、むし歯ができる
・むし歯の進行段階
CO(シーオー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C1(シーワン)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C2(シーツー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C3(シースリー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
C4(シーフォー)の症状・治療法
   歯の状態・自覚症状
・まとめ

<h2>歯の構成</h2>
歯はエナメル質、象牙質、セメント質という3つの硬い組織とそれに囲まれた歯髄という歯の神経から出来ています。
①エナメル質は、歯の一番外側で白い色をしています。人の体の中で最も硬い組織です。無機質の含有率は95%です。その主成分はカルシウムです。
②象牙質はエナメル質とセメント質の下層にあります。硬く黄色い組織で、歯の大部分を占めます。無機質の含有率は約70%で、その主成分はカルシウムです。
③セメント質は、歯の根の外側を覆っています。歯肉の中にある色は黄色です。非常に薄いです。成分の70%がカルシウムです。セメント質は骨と同じくらいの硬さです。エナメル質と比べると柔らかいです。
④歯髄は歯の中央部にある歯髄腔と呼ばれる空間にある軟組織です。歯髄には、根尖孔と呼ばれる歯根先端から神経や血管が入ります。歯髄の機能は歯の形成、感覚の伝達、栄養の供給、防衛などです。

<h2>むし歯の原因とむし歯ができる仕組み</h2>

<h3>細菌が糖を取り込み、酸を作り出し、歯の成分を溶かす</h3>
歯の表面に付着した細菌が糖を分解し作り出した酸によって、歯の成分であるカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す現象を歯の脱灰といいます。歯の表面が白く濁ったり、茶色や黒色に変色します。脱灰が進むと、歯に穴が開いてむし歯になります。
脱灰を防ぐ為に、歯磨きを丁寧に行いましょう。歯ブラシや歯間ブラシ、フロスなどを使って、細菌の付着した歯垢を除去することが必要です。特に寝る前の歯磨きは念入りに行いましょう。フッ素入りの歯磨き粉やジェルを使いましょう。フッ素は、歯の再石灰化を促進し、歯を強くします。
ダラダラ食べ・飲みをしないようにしましょう。食事や間食をすると、口の中が一時的に酸性に傾き、脱灰が起こります。この時間を長くすると、再石灰化が追いつかなくなります。食事や間食は時間を決めて行いましょう。
脱灰が治らない場合は、歯科医院で治療を受ける必要があります。初期むし歯の場合は、フッ素塗布や薬剤注入などで再石灰化を促すことが出来ます。

<h3>唾液が歯の酸を中和する</h3>
脱灰の逆の現象が再石灰化です 。脱灰されたミネラルが唾液などから補給されて元に戻ることが再石灰化です 。再石灰化は、歯の自然修復のメカニズムとして重要な役割を果たします 。
再石灰化を促すために、歯磨きを丁寧に行いましょう。フッ素入りの歯磨き粉を使いましょう。フッ素は、再石灰化されたミネラルをより強固な物に変えます 。これにより、歯がむし歯に強くなります 。

<h3>脱灰と再石灰化のバランスが崩れると、むし歯ができる</h3>
唾液の分泌量を増やし、再石灰化を促しましょう。唾液は、酸性度を中和し、再石灰化を促します。キシリトールやリカルデント配合のガムを噛む事で、唾液の分泌量を増やすことが出来ます。
再石灰化は、初期むし歯の段階であれば自然に起こる現象ですが、進行したむし歯では追いつかなくなります。その場合は、歯科医院でむし歯治療を受ける必要があります。進行したむし歯の場合は、歯を削って詰め物や被せ物をすることで保護します。早めに受診して、歯の健康を守りましょう。

<h2>むし歯の進行段階</h2>

<h3> CO(シーオー)の症状・治療法</h3>
COは、むし歯の進行度を表す指標の一つです。要観察歯と呼ばれます。COは、エナメル質の成分が溶け出す現象である脱灰が疑われる段階です。この段階では、むし歯の穴はまだ開いていないため、治療をしなくても自然に治る可能性があります。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、歯は白っぽく濁ります。脱灰によってエナメル質が透明度を失い、白く濁ったり、白斑(はくはん)と呼ばれる白い斑点ができたりします。
COでは、神経が通っている象牙質や歯髄にまでむし歯が進行していないため、痛みやしみる感覚はありません。
COの歯を放置すると、むし歯は更に進行してエナメル質を突き抜けて象牙質に達し、C1(初期むし歯)になります。治療はフッ素塗布や薬剤注入を行います。

<h3> C1(シーワン)の症状・治療法</h3>
C1は、歯の表面にあるエナメル質が溶け始めて穴が開いている状態のむし歯です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、痛みやしみるといった自覚症状はほとんどありませんが、放置するとむし歯は進行してしまいます。
C1のむし歯の治療法は、歯科医院でむし歯部分を削って詰め物をします。詰め物は白いプラスチック(レジン)や金属などの素材で行われます。
C1のむし歯は初期段階ですが、放置せずに早めに対処しましょう。そうすることで、重度のむし歯や神経治療などを避けることが出来ます。

<h3> C2(シーツー)の症状・治療法</h3>
C2は、エナメル質を溶かして内部の象牙質にまでむし歯が進行した状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、痛みやしみるといった自覚症状が出始めますが、神経にはまだ影響がないため、神経を取る必要はありません。
C2のむし歯の治療法は、むし歯部分を削って詰め物や被せ物をします。詰め物や被せ物には、金属・レジン・セラミックがあります。
治療しないと、むし歯は更に進行し神経まで達し、激しい痛みが出ます。C2から先のむし歯への進行は一気に加速します。その為、早めに治療することが重要です。

<h3> C3(シースリー)の症状・治療法</h3>
C3は、歯の神経や血管がある歯髄までむし歯が進行した状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状・治療法</h4>
この段階では、常にズキズキとした激しい痛みを感じたり、熱いものや冷たいものがしみたりする自覚症状があります。また、むし歯の部分が黒くなったり、口臭が出たりする事もあります。
C3のむし歯の治療法は、むし歯部分を削って神経や血管を除去する根管治療を行います。その後、詰め物や被せ物で歯を修復します。
C3のむし歯は重度ですが、根管治療で対処することで、更なる悪化や抜歯を避けることが出来ます。

<h3> C4(シーフォー)の症状・治療法</h3>
C4は、歯の頭の部分(歯冠部)がなくなり根だけ残った状態です。

<h4>歯の状態・自覚症状</h4>
この段階では、歯髄(歯の神経)が完全に蝕まれているので、歯の症状は消失します。しかし、顎の骨の中にある歯根の先に膿が溜まったり、むし歯の部分が黒くなったり、口臭が出たりします。
C4のむし歯の治療法は、抜歯するか、土台を作って被せ物をするかです。抜歯する場合は、その後に入れ歯・ブリッジ・インプラントなどで歯を補う必要があります。土台を作って被せ物をする場合は、根管治療を行ってから、プラスチック・金属・セラミックなどで歯を被せます。
進行すると、膿があふれて顔面腫れや高熱など重篤な合併症を引き起こす事があります。

<h2>まとめ</h2>
むし歯が出来てしまってもCOなら経過観察できます。CO、C1、C2と小さなむし歯治療ですむように日頃から定期的に歯科医院で検診を受けて、自分の歯の状態を把握することがお勧めです。

投稿者: 柏木歯科医院

2023.08.04更新


<h2>おやつで、栄養を補う</h2>
私達は毎日3回の食事を摂っています。それだけでは体に必要な栄養素を十分に摂れているとは限りません。そこで役立つのがおやつです。おやつは、食事では不足しがちな栄養素を補う為に摂ります。しかし、おやつは必ずしも毎日食べる必要はありません。食事の時間や量に影響しないように注意する必要があります。
では、どのようなおやつをどれくらい食べたらよいのでしょうか。一般的に言われている目安は、1日のエネルギー摂取量の10%程度(約200kcal)です。それ以上摂ってしまうと、食事が疎かになってしまったり、エネルギー摂取量が多くなり過ぎたりする可能性があります。また、おやつの質も重要です。食事で不足しがちなタンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などを含むものを選ぶことがお勧めです。例えば、乳製品、卵、大豆製品、果物、野菜などが良いでしょう。これらの食品は、体を作るタンパク質や、免疫力を高めるビタミン、骨や歯を丈夫にするミネラル、便秘を防ぐ食物繊維などを豊富に含んでいます。
おやつは食事に比べて美味しさを重視してしまいがちですが、量と質を考えて上手に活用することで、バランスのとれた食生活が可能になります。また、適度な運動や水分補給も忘れずに行うことが大切です。おやつは栄養を補う食事のひとつとして、健康的な生活の一部として楽しみましょう。

<h2>むし歯の始まり(脱灰)、再石灰化</h2>
むし歯の始まりとは、歯の表面にあるエナメル質が溶け始める事です。これを脱灰といいます。脱灰の原因は、食べ物や飲み物に含まれる糖分を口の中のむし歯菌が酸に変える事です。酸はエナメル質を構成するカルシウムやリン酸を溶かしてしまいます。この状態が続くと、エナメル質に穴が開いてむし歯になってしまいます。
しかし、脱灰したエナメル質は、自然に修復する事が出来ます。これを再石灰化といいます。再石灰化とは、唾液に含まれるカルシウムやリン酸がエナメル質に戻って固まる事です。唾液は、口の中の酸を中和して歯を守る働きもします。再石灰化は食後1時間程で起こります。進行したむし歯は自然治癒しません。再石灰化により初期のむし歯は修復する効果があります。再石灰化を促進するためには、毎食後に歯磨きをしてプラークを除去したり、カルシウムやタンパク質を含む食べ物を摂ったりすることが有効です。また、定期的に歯科医院でフッ素コーティングやクリーニングを受けることもお勧めです。


<h2>おやつの食べ方</h2>
<h3>時間と量を決める</h3>
おやつを食べるときには、時間・量を決めることが大切です。おやつは食事の補助として、栄養バランスやエネルギー補給に役立つからです。おやつを食べる時間は、昼食と夕食の間、午後3時頃が理想的です。この時間は、食事と食事の間隔が4~5時間になり、おなかが減って来る時です。午後3時頃は体内時計のコントロールが良く、脂肪として溜め込みにくい時間帯でもあります。
おやつの量は、1日に必要な総エネルギーの約10%位が目安です。一般的に間食のカロリーは約200kcal程度が適切と言われています。おやつの量を決めるときには、市販のお菓子の栄養成分表示を参考にしましょう。

<h3>飲料は甘くないものに</h3>
おやつの飲料は甘くないものにすることが大切です。お勧めは、果物ジュースです。果物ジュースはビタミンや食物繊維などの栄養素が豊富で、風味も良いです。市販の果物ジュースは砂糖が多く含まれているので、手作りするか無糖のものを選びましょう。またお茶もお勧めです。お茶はカフェインやポリフェノールなどの成分が含まれており、リラックス効果や抗酸化効果があります。お茶は種類も豊富で、緑茶や紅茶、ハーブティーなどがあります。お茶は無糖で飲むのがお勧めですが、少量のはちみつやレモンを入れることもあります。

<h3>食後は歯磨きを</h3>
おやつの後に歯磨きをすることの重要性は、以下の3つが挙げられます。
①むし歯の予防。
おやつに含まれる砂糖は、口の中の細菌を分解して酸を作ります。この酸が歯を溶かしてむし歯になります。おやつの後に歯磨きをすることで、酸の作用を抑えてむし歯を予防できます。
②歯垢の除去。
おやつは、歯と歯茎の間や歯の溝等に残りやすく、細菌が増殖して歯垢になります。歯垢はむし歯だけでなく、歯周病の原因にもなります。おやつの後に歯磨きをする事で、歯垢を除去して口内を清潔に保てます。
③口臭の防止。
おやつに含まれる乳製品などは、口臭の原因となる物質を作り出します。おやつの後に歯磨きをすることで、口臭を防止できます。

 


<h2>むし歯になりやすいお菓子</h2>
砂糖量が多いおやつは、むし歯の原因になり易いので、控えめにしましょう。砂糖量が多いおやつの例としては、次のようなものがあります。
ケーキ・パイ・チョコレート・ジャム。これらのおやつは、砂糖量が多く、歯にくっつきやすいので、食べるときは一度に食べて、食べる時間を短くしましょう。長い時間、口の中にある飴やガムも要注意です。

<h2>むし歯になりにくいお菓子</h2>
むし歯になりにくいお菓子は、砂糖が少なく、歯に付着しにくく、口の中に長く残らないものです。例えば、ゼリーやプリンやアイスクリームや果物などが該当します。これらのお菓子は、水分が多くて粘性が低いため、歯にべったりと付着することがありません。また、むし歯になりにくい甘味料としては、糖アルコール類や非糖質性甘味料があります。糖アルコール類は、エリトリトールやマルチトールやキシリトールなどです。非糖質性甘味料は、ステビアやアスパルテームなどです。

<h2>まとめ</h2>
おやつは食事の補助として、栄養バランスやエネルギー補給に役立ちます。また、おやつの時間はコミュニケーションの時間としても有効です。おやつを食べるときには、ここでお話した事を参考にして頂き楽しく頂きましょう。

投稿者: 柏木歯科医院

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