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2023.05.05更新

 

こんにちは
歯周病は虫歯と並び、多くの方を悩ませる病気です。
なにしろ進行すると、歯を失いかねないので、歯周病は歯の健康の大敵です。
歯周病はどうして起こるのでしょうか。
今回は、歯周病の原因についてお話しします。
歯周病の原因
まず、歯周病の原因についてご説明します。
歯周病菌
歯周病は、歯周病菌という細菌が引き起こす病気です。
歯周病菌というと一種類しかいないように思われるかもしれませんが、なんと何百種類もいます。
ただ、全ての歯周病菌が等しく歯周病を発症させるのかというとそうではありません。
特に歯周病の発症に関係していると考えられているのが、フォルフィロモナス・ジンジバリス(P.g.菌)、トレポネーマ・デンティコラ(T.g.菌)、タンネレラ・フォーサイセンシス(T.f.菌)の3種です。
この3種類の歯周病菌を合わせてレッド・コンプレックスとよんでいます。
この次に歯周病に関係性の強い歯周病菌はオレンジ・コンプレックスといい、10種類あります。
プラーク
歯周病菌に限らず細菌はミクロの世界に生きているので、前述の歯周病菌を肉眼で見ることはできません。
しかし、歯周病菌が集まって作られたコロニーは見ることができます。
それは、プラークです。
プラークは、歯の表面についている白いカスのようなもののことなのですが、実は歯周病菌や虫歯菌などのすみかであることが明らかになっています。
プラーク1mgの中にはなんと10億個以上の細菌がいると言われています。
プラークがたくさんついている=歯周病菌がたくさんいるという見方ができます。
プラークも、歯周病の原因のひとつというわけですね。
歯周病を発症させるきっかけ
実は、歯周病菌がいるだけでは歯周病は発症しません。
歯周病を発症させるきっかけが必要です。
深い歯周ポケット
歯周ポケットとは、歯と歯肉の間の溝のことで、歯周病菌は、歯周ポケットの中にいます。
歯周ポケットの内部は酸素が少なく、酸素の豊富な環境を嫌がる歯周病菌にとって格好のすみかになっています。
歯周ポケットが深くなればなるほど、酸素が乏しくなる上、歯ブラシの毛先も届きにくくなります。
このため、深くなった歯周ポケットの中では歯周病菌が増えやすくなり、歯周病が進みやすくなります。
プラークリテンションファクター
プラークリテンションファクターとは、プラークがたまりやすい環境、プラークコントロールを邪魔してしまう要素という意味の言葉です。
プラークリテンションファクターは、歯周病の原因であるプラークを増やすことで、歯周病菌を増やし、歯周病の進行を促進させます。
プラークリテンションファクターは、非常に多岐にわたります。
例えば、歯石です。
歯石は、プラークが古くなって石のように硬くなった歯の表面の付着物です。
とても強く歯にこびりついているので、歯磨きでは取り除けません。
歯石の表面はとても凸凹としており、プラークが付着する温床となります。
このほか、歯並びの悪さ、歯にフィットしていない被せ物や詰め物、歯の形の異常、虫歯などもプラークリテンションファクターです。
外傷性咬合
外傷性咬合とは、歯肉や歯槽骨など歯を支える歯周組織に悪影響を与える可能性が高い噛み合わせのことです。
具体的には、噛み合わせの高さがよくない被せ物や詰め物、歯ぎしり、食いしばりなどです。
外傷性咬合を放置していると、歯周組織がダメージを受けることで歯周病が進行します。
なお、外傷性咬合と似た言葉に咬合性外傷があります。
こちらは、歯槽骨の吸収など歯周組織のダメージを指します。
見方を変えれば、外傷性咬合は歯周病を起こす原因、咬合性外傷は歯周病の結果といえます。
全身的因子
歯周病は、歯周病菌という細菌が引き起こす病気です。
このような病原性を持つ細菌に対して私たちの身体には免疫力が作用し、身体を守る仕組みになっています。
免疫力がしっかり働いていてくれれば、歯周病菌の活動を抑えることができます。
ところが、疲れや睡眠不足などにより免疫力が低下すると、歯周病菌の活動を抑えられなくなり、歯周病が進行しやすくなります。
このほか、糖尿病やホルモン異常などの病気も歯周病のきっかけとなり得ます。
不適切な生活習慣
日常生活の何気ない習慣の中にも歯周病のきっかけは潜んでいます。
例えば、タバコ、口呼吸、不規則な食生活などです。
特にタバコの影響は大きく、喫煙者は非喫煙者と比べると歯周病のリスクが2~8倍になる上、いったん発症した歯周病の治りを悪くしてしまいます。
まとめ
今回は、歯周病の原因についてご説明しました。
歯周病の原因は、
①歯周病菌
②歯周病菌が潜んでいるプラーク
です。
そして、歯周病には発症するきっかけが必要で、それは
①深い歯周ポケット
②プラークリテンションファクター
③外傷性咬合
④全身的因子
⑤不適切な生活習慣
などです。
お口の中から歯周病菌を完全に無くしてしまうことはできませんが、プラークや歯周病のきっかけをなくすことはできます。
歯周病予防では、プラークや歯周病発症のきっかけをなくすことを重視して予防に取り組みます。
当院は、歯周病の専門的な知識に加え、長年にわたる豊富な治療経験を持つ歯科医院です。
もし、歯周病でお悩みの方は、ぜひ当院でご相談ください。

投稿者: 柏木歯科医院

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