食後すぐに歯を磨くと歯が溶けるという報道のウソ


この報道のもととなったのは、実験的に酸性炭酸飲料に歯の象牙質の試験片を90秒浸した後、口の中に戻して、その後の歯磨き開始時間の違いによる酸の浸透を調べた酸蝕症の論文によるものです。
この結果から、食後すぐの歯磨きが歯を溶かしてしまうとしたが、実際には口の中の歯の表面は酸に対する抵抗性が最も高いエナメル
で覆われています。正常な歯の象牙質はエナメル質で覆われていて、実験のように象牙質が直接酸に侵食されるようなことはないのです。
また、唾液が潤っている歯の表面は唾液が酸を中和する働きがあり、酸性飲料や酸性食品の頻繁な摂取がない限り、すぐには歯が溶けないような防御機構が働きます。つまり、一般的な食事では歯が削れたり溶けたりすることは起こりにくいことが云えます。
歯磨きの目的は歯垢の除去、すなわち酸を産生する細菌を取り除くとともにその原料となる糖質を取り除くことにあります。
歯磨きをしないままでいると,歯垢中の細菌によって糖質が分解し酸が産生されて酸が溶け出す脱灰が始まります。
やはり食事後は早めに歯磨きをして歯垢を取り除きましょう!

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